安物が贅沢であることについて

昔、W教授(当時)が、若いうちは文庫本でもいいが、年をとると、革表紙のいい装丁で挿絵が入っている、豪華本でないと読む気にならない、と書いていた。

本当にそうで、これは本に限らない。年をとると、いい加減なもの、安価なものですませるという「贅沢」が許されなくなる。

ますます金も時間もかかるわけである。しかし、一方で、物欲がなくなっていく人もいると思う。読めればいい、と考えて、文庫本を読む人がいてもいいが、たぶん、目が辛くて読めないだろう。おそらく老化は金がかかる、と考えた方がよさそうだ。

若い女が高価な宝石などを身につけると災難が起こる、と美輪明宏先生が書いている。老女性こそ、そういう石をまとう資格ができる、また、まとわないと、老齢がカヴァーできないのだろう。

初老にもなって、安物版を読まなくていいように蓄財しなくてはならないかもしれない、

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