少年の不思議

boy にあたる語は、それぞれの言語で所有していたのに、後世、それが別の語にとって代わられるのは不思議である。そもそも、boy の語源そのものが分かっていない。中世の古英語では、cnafa (=独 Knabe)を用いていた。

イタリア語 ragazzo 「少年」は、はるばるアラビア語(رقاص raqqāṣ 「使い走りの子」)からの借用である(現代のアラビア語辞典には「ダンサー」と書いてある)。シチーリアあたりから来たに違いない(しかし、なぜ北上したのだろうか?)。先祖のラテン語には puer があった。

フランス語の garçon 「少年」はフランク語の *wrakkjo 「放浪者」だという(=古高ドイツ語 hrechjo 「逃亡者」)。フランク族は支配者だったから、俗ラテン語を使っていた民衆に、こういう、蔑称のような語を使うのは理解できないこともない。

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  • フランク語と古フランス語

    Excerpt: 六世紀初頭からフランスを支配したフランク族は現在のオランダ語と同系列のゲルマン語であるフランク語(英語でFrankishという。ちなみにフランス語はFrench)を話していましたが、古フランス語を.. Weblog: 哲学はなぜ間違うのか racked: 2016-04-30 09:24