"Desiderata"

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大学に入学すると、「イングリッシュ・スキルズ」という授業で、N神父という教授に、紙一枚を渡され、暗記しなさい、と言われた。また、各自、朗読・録音し、発音、イントネーションなどを一人一人直してくれた。タイトルは Desiderata 望まれるべきこと、である。かなりむずかしい英語で、なかなか覚えるのに苦労したが、若かったのでどうにか記憶できたような気がする。たぶん今ではむずかしい。しかし、考えると、意味は深く理解していなかった。なんとなくいいことが書いてあるな、ぐらいに思ってはいたが。

その6年後、英国の、大聖堂で有名なヨークに行くと、土産物店で、この Desiderata が版画になって売られており、驚いた。かなり有名な作品(?)らしい、とやっと気づいた(今週、ふと、iTunesで検索してみると、作曲され、歌になっており、英語、スペイン語、ドイツ語などで歌われているのを知った。もちろん、ふううの朗読ヴァージョンもある)。

その後も、英語圏のいろいろなところで見かけ、買ったりしていたが、中年になってから、やっと意味が少しづつ分かってきた気がする。とくに


Take kindly the counsel of years, gracefully surrendering the things of youth


が、耳に痛い、というか、最近ひどく心に滲みる。もう若くないという事実をエレガントにあきらめる、というのはむずかしい。ふつうなら、どうしても格好をつけ、若く見せようとしてしまうだろう。こんな後になって効いてくるとは、N神父もけっこう考えてこれを教材にしたのかな、と、今になって思う。当時、神父は今の私の年齢と同じぐらいだっただろうか(少なくともハゲ具合は同じだと思う)。もともとは、神父の出身州 メリーランドの教会の資料に収められた作品だったらしい。

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