魔除け

山手線。まえの座席の女性が鼻をハンカチで押さえている。私がコロンをつけすぎたのである。年に五、六回、こういうことがある。私の嗅覚が弱いのではないかと思う。鼻炎の治療はしているのだが。しかし、近くを通る散歩の犬が、強烈な臭いに卒倒したことはない。犬の嗅覚は人間の数十倍だか数百倍あるはずなのに。

学生も、教室じゅう先生の匂いです、ということがあるが、嫌そうではないのでいいだろう。なにより、強烈な魔除けの香りをまとうのは、大学院時代の指導教官の真似なのだ。魔除けのための、お香系、香木系のコローニュだから、臭いという奴は、「魔」である可能性が高い。

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